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由緒

 本神社は元鹽竈神社に鎮座せられ、只州宮と称し元禄年間該神社造替の節、今の地に遷座され伊達藩の崇敬篤き社であった。元禄8年10月13日伊達綱村公の命により「只州の御社を別所に奉還すべき」とその社家鎌田信濃守に申しわたし11月13日には新しい御遷座の地を選ぶべく、御社くじを占し、現在の古内村を御社地と選定し、先ず下賀茂社の御社を元禄9年2月29日着工、同年9月23日鹽竈より正遷座の儀を行い、「御祖(みおや)神社」として奉斎した。同年10月14日上賀茂社の棟上げ、翌元禄10年正月29日には上賀茂社の正遷座の儀を行い「別雷(わけいかずち)神社」として奉斎する。神社所傳の御棟札は元禄9年(1696年)と翌10年(1697年)の物二体にして神社所有唯一の至寶である。
 社殿は二柱並立南面し、屋根茅葺、向拝一問、切妻造一間社流造で石造亀腹の上に立つ。総体を京都の御本社の丹塗りにならい、紅殻塗りとし、正面両開き唐戸をつり、三方回縁、これに和称の宝珠柱と欄干をつけ、屋根箱棟の立引両紋彫刻は伊達家の造営を示し、向拝の虹梁上には下賀茂神社には雌鶏、上賀茂神社には雄鶏の彫刻を入れた蟇股を上げ、切妻破風は虹梁太瓶束式で左右に雄大な唐草模様の彫刻をつけ、一部補修の他は旧態を残し、江戸中期の堅実な作風を示した県内稀に見る建築である。
 昭和39年9月4日に、「本殿二棟・棟札二体」は宮城県指定の重要文化財に指定される。
 又、神社正面大鳥居脇「イロハモミジ二本」と上賀茂神社本殿前の「タラヨウ」も平成11年7月2日に宮城県指定の天然記念物に指定される。

御祭神